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東京工業大学名誉教授の木村泉氏は、練習量と上達の関係を定量的に評価したいと考え、大量の折り紙を自分で折るのに要する時間を計ることによってその関係について考察しました。
木村氏は、吉澤章氏の「創作折り紙」という本で紹介されている「みそさざい」という作品を15万回折り続け、折るのにかかった時間がどのように変化したかを記録しました。折るのに要した時間を縦軸に/試行回数を横軸にして両対数グラフを描いた結果として以下の図が報告されています。

同じ折り紙を15万回も折り続けて時間を計測するというのは尋常な努力ではありませんが、努力に見合った興味深い結果がこのグラフにあらわれています。このグラフでは以下のような特徴を見ることができます。
練習回数と上達度は巾乗則に従う
「なんでもフラクタル」の回で紹介しましたが、両対数グラフ上にプロットしたグラフが直線になるような関係があるとき、これらはべき乗則(冪乗測/巾乗則/Power Law)に従うといいます。実験結果を見ると上達度は奇麗に巾乗則に従っていることがわかります。このことを木村氏は練習の巾乗法則と名付け、様々な考察や実験を行なっています。
たとえば2倍上達するのに100回の練習が必要なのであれば、2×2=4倍上達するのに100×100=10000回の練習が必要だということになります。なかなか上達の道は厳しいことがわかります。
スランプの時期がある
練習量と上達度はおよそ巾乗則に従うというものの、練習しても上達しない「スランプ」の時期が結構あることがわかります。スランプの時期は練習しても上達しないばかりか、かえって下手になっていくこともあります。スランプを脱出すると一気に上達が進み、大局的には巾乗則のとおり上達が進みます。
値の揺れのパタンがある
急速に上達したと思っても揺り戻しのようにスランプ状態になっている場合が何度も観測され、周期的にギザギザしたグラフになっています。揺れのパタンははっきりしませんが、フラクタル的な性質を持っている可能性があります。
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